あ!仏様に呼ばれてる!お寺に行こう!

お寺のことを、知る・参る・巡るために。

伽藍のしくみ、宗派の違い、仏像の見分け方、参拝と焼香の作法、お経、葬儀と法要、お布施のマナー、巡礼と寺の体験、用語まで。お寺を巡るための手引きを、五部の帖にまとめました。図はすべて模式図です。実際の姿は各寺の「写真」リンクからご覧ください。

壱 知る

お寺のなりたちと、見て分かるしくみ

第一章

お寺とは

お寺は、仏さまをお祀りし、その教えを学び伝え、修行する場所です。全国に約7万余りの寺院があるといわれます。

中心にお祀りする仏さまをご本尊といいます。釈迦如来、阿弥陀如来、大日如来など、どの仏さまを本尊とするかは宗派や寺によって異なります。

多くの家にとってのお寺は、先祖代々のお墓があり、葬儀や法要をお願いする菩提寺です。その寺を支える家を檀家と呼びます。一方で、宗派や檀家に関係なく、誰でもお参りし、坐禅や写経に参加できるお寺もたくさんあります。

お寺と神社のちがい

お寺神社
祀るもの仏(如来・菩薩など)神(八百万の神)
仕える人僧侶神職(神主)
入口山門鳥居
拝み方合掌して一礼。拍手は打たない二拝二拍手一拝(出雲・宇佐などは四拍手)
喪中・忌中死を穢れとしないので、お参りしてよい忌中(五十日)は控える慣習
神仏習合:明治の神仏分離(1868年)までは、寺と神社が一体になっている所も多くありました。神は仏が姿を変えて現れたものとする本地垂迹説が広まっていました。その後の廃仏毀釈で、多くの寺宝が失われました。
第二章

伽藍のしくみ

お寺の建物をまとめて伽藍といいます。山門をくぐり、手水で身を清め、本堂でご本尊を拝むのが基本の流れです。

本堂 庫裏・方丈 鐘楼 常香炉 納骨堂・墓地 手水舎 塔 参道 山門

模式図。配置は宗派や寺ごとに大きく異なります。

山門(三門)
お寺の入口。三門は「空・無相・無作」の三つの解脱門の意味。金剛力士(仁王)像が立つ門は仁王門と呼びます。
本堂
ご本尊を祀る中心の建物。金堂・仏殿・中堂とも。浄土真宗では宗祖を祀る御影堂と阿弥陀堂が並びます。
塔
三重塔・五重塔・多宝塔など。もとは釈迦の遺骨(仏舎利)を納めるストゥーパ。
講堂・法堂
教えを説く建物。禅宗では法堂(はっとう)。
鐘楼
梵鐘をつるす建物。
経蔵
お経を納める蔵。
僧堂
修行僧が坐禅し、暮らす建物(禅堂)。
方丈・庫裏
方丈は住職の居所(禅宗)。庫裏は台所・寺務所・住まい。
開山堂・大師堂
寺を開いた僧や宗祖を祀るお堂。祖師堂とも。
常香炉
本堂前の大きな香炉。煙を浴びて身を清めます。
塔頭
たっちゅう。大きなお寺の境内にある小さな院。
七堂伽藍
主要な7つの建物の総称。禅宗では山門・仏殿・法堂・僧堂・庫院・東司・浴室。
第三章

宗派の違い

日本の仏教は、伝統的に「十三宗五十六派」といわれます。お唱えのことば、焼香の回数、お経、位牌の有無など、多くの作法が宗派で変わります。

宗派が分からないとき:家の仏壇のご本尊、位牌の戒名(「釋」なら浄土真宗、「誉」なら浄土宗、「日」なら日蓮宗の可能性)、お墓に刻まれた文字を見るか、親族や菩提寺に尋ねると分かります。
第四章

仏像の見分け方

仏像は大きく4つのグループに分かれます。まずは飾りがあるか、怒った顔かを見ると、どのグループか見当がつきます。

悟りを開いた仏

如来

質素な衣だけで飾りはつけない。頭はぶつぶつの螺髪と、盛り上がった肉髻。釈迦・阿弥陀・薬師など。大日如来だけは冠と装身具をつけます。

悟りを求め人々を救う

菩薩

出家前の王子の姿で、宝冠やネックレスなどの装身具をつける。観音・地蔵・文殊・普賢・弥勒・虚空蔵など。地蔵菩薩だけは僧の姿です。

怒りの姿で導く

明王

密教の仏。教えに従わない者を力強く導くため、怒った顔(忿怒相)をしている。剣と縄を持ち炎を背負う不動明王が代表。孔雀明王だけは穏やかな顔です。

仏法を守る神々

天部

インドの神々が仏教に取り入れられた守り神。甲冑姿の四天王や毘沙門天、金剛力士のほか、弁才天・大黒天・吉祥天・閻魔天など。

主な仏さま

三尊(さんぞん)

中央の仏さまの左右に、脇侍(きょうじ)が並ぶ形です。

中尊脇侍
釈迦三尊文殊菩薩・普賢菩薩
阿弥陀三尊観音菩薩・勢至菩薩
薬師三尊日光菩薩・月光菩薩

干支の守り本尊

干支守り本尊
子千手観音菩薩
丑・寅虚空蔵菩薩
卯文殊菩薩
辰・巳普賢菩薩
午勢至菩薩
未・申大日如来
酉不動明王
戌・亥阿弥陀如来
十三仏:初七日から三十三回忌までの法要ごとに、守り本尊が決まっています。順に、不動明王・釈迦如来・文殊菩薩・普賢菩薩・地蔵菩薩・弥勒菩薩・薬師如来・観音菩薩・勢至菩薩・阿弥陀如来・阿閦如来・大日如来・虚空蔵菩薩です。
第五章

寺の名前と寺格

お寺の正式な名前は山号+院号+寺号でできています。たとえば「比叡山 延暦寺」「音羽山 清水寺」。山号は寺が山に建てられた名残で、平地のお寺にもつきます。

宗派の中心

総本山・大本山・本山

宗派や派の中心となる寺。本山に属する寺を末寺と呼びます。

格式

別格本山

本山に準じる格式を与えられた寺。

皇族・貴族ゆかり

門跡寺院

皇族や貴族が住職を務めた格式の高い寺。仁和寺・青蓮院・三千院など。

境内の院

塔頭

大きなお寺の境内や周辺にある小さな院。もとは高僧の墓所を守る庵でした。

尼僧の寺

尼寺

尼僧が住職を務める寺。

弐 参る

お参りの作法と、家での供養

第六章

参拝の作法

一般的な流れです。お寺ごとの案内があれば、そちらに従ってください。

  1. 山門で一礼
    合掌して一礼。敷居は踏まずにまたぎます。帽子は取りましょう。
  2. 手水で清める
    左手→右手→口の順にすすぎ、最後に柄杓を立てて柄を流します。
  3. 常香炉の煙
    常香炉があれば煙を浴びて身を清めます。線香やろうそくを納めます。
  4. 鐘を撞く
    撞ける寺なら参拝の前に。帰りに撞く「戻り鐘」は縁起が悪いとされます。
  5. 本堂で合掌
    お賽銭を納め、静かに合掌して一礼。拍手は打ちません。鰐口があれば鳴らします。
  6. お唱え
    ご本尊の名や「南無阿弥陀仏」「南無大師遍照金剛」、般若心経などを唱えてもかまいません。
  7. 御朱印をいただく
    参拝を済ませてから授与所へ。

御朱印のこと

御朱印は、もとは写経を納めた証の納経印です。スタンプラリーではなく、参拝の証として丁寧にいただきましょう。神社用と寺用で御朱印帳を分ける人もいます。書き置き(紙でいただく)の場合もあります。浄土真宗のお寺は原則として御朱印を授与していません。

境内では大声や飲食を控え、撮影禁止の場所に気をつけましょう。お堂の中は撮影できないことが多いです。

第七章

焼香・線香・数珠

焼香の回数などは宗派ごとの目安です。同じ宗派でも地域や寺で違うことがあります。参列者が多いときに「1回で」と案内されたら、それに従えば大丈夫です。

宗派焼香の回数おしいただく
天台宗1回または3回する
真言宗3回する
浄土宗1〜3回(決まりなし)する
浄土真宗本願寺派1回しない
真宗大谷派2回しない
臨済宗1回寺による
曹洞宗2回(1回目が主香、2回目が従香)1回目のみ
日蓮宗1回または3回する

線香と数珠

線香

本数と立て方

宗派・寺で異なります。たとえば真言宗・天台宗は3本、浄土宗・禅宗は1本が多く、浄土真宗は折って横に寝かせます。

線香

火は手であおいで消す

口で吹き消しません。人の息は不浄とされるためです。

数珠

略式数珠でよい

本式の数珠は宗派ごとに形が違いますが、片手で持つ略式数珠はどの宗派でも使えます。

数珠

持ち方

左手に持つ(かける)のが基本で、房は下に垂らします。畳や床に直に置かず、貸し借りはしません。

作法を間違えても:大切なのは手を合わせる気持ちです。作法を間違えても、故人への想いはちゃんと届きます。
第八章

仏壇と家の供養

仏壇は「家の中のお寺」です。中心はご本尊で、位牌ではありません。

向かって右
脇掛け
宗祖や祖師など(宗派による)
中央
ご本尊
宗派の本尊(仏像・掛軸)
向かって左
脇掛け
宗祖や祖師など(宗派による)

宗派ごとのご本尊と脇掛け(例)

宗派ご本尊脇掛け
天台宗阿弥陀如来天台大師・伝教大師
真言宗大日如来弘法大師・不動明王
浄土宗阿弥陀如来善導大師・法然上人
浄土真宗阿弥陀如来本願寺派は親鸞聖人・蓮如上人。大谷派は十字名号・九字名号が多い
臨済宗釈迦如来派による
曹洞宗釈迦如来道元禅師・瑩山禅師
日蓮宗大曼荼羅または三宝尊鬼子母神・大黒天など

毎日の供養

五供(ごく)

香・花・灯明・浄水・飲食

線香、花、ろうそく、お水やお茶、ご飯(仏飯)をお供えします。浄土真宗は水やお茶を供えないのが基本です。

お供え

避けるもの

生ものや肉・魚は避けます。毎朝ご飯とお水(真宗を除く)をお供えして手を合わせます。

位牌

白木から本位牌へ

四十九日までは白木の仮位牌、その後は塗りの本位牌に。数が増えたら繰出位牌にまとめます。浄土真宗は位牌を用いず、過去帳や法名軸を使います。

買い替え・処分

開眼と閉眼

仏壇や位牌を新しくするときは開眼供養(魂入れ)、処分するときは閉眼供養(魂抜き)をお寺に相談します。

仏壇の向きは「南向き」「東向き」など諸説あり、厳密な決まりはありません。

参 教え

教えの流れ、お経、歴史

第九章

教えの系統

日本の宗派は、どうやって救われる・悟るかの考え方で、大きく5つの流れに分けられます。どれが優れているということではありません。

自力

密教

宗派真言宗(東密)・天台宗(台密)

この身のままで仏になる「即身成仏」をめざす。印を結び、真言を唱え、曼荼羅を拝む。

自力

禅

宗派臨済宗・曹洞宗・黄檗宗

坐禅で心を見つめる。臨済宗は公案(禅問答)、曹洞宗はただひたすら坐る只管打坐。

他力

浄土

宗派浄土宗・浄土真宗・時宗・融通念仏宗

阿弥陀仏の願いにおまかせし、念仏を称えて極楽浄土に往生する。浄土真宗は「信心ひとつ」を強調します。

法華

法華信仰

宗派日蓮宗(天台宗も法華経を重んじる)

法華経を最高の経典とし、お題目「南無妙法蓮華経」を唱える。

学問

奈良の仏教

宗派法相宗・華厳宗・律宗

奈良時代の南都六宗の流れ。唯識や華厳経、戒律を学ぶ。

仏教の基本のことば

ことば内容
三宝仏・法・僧。この三つをよりどころにすることを帰依といいます
三法印諸行無常・諸法無我・涅槃寂静(一切皆苦を加えて四法印)
四諦苦・集・滅・道。苦しみとその原因、それをなくした境地と、そこへ至る道
八正道正見・正思惟・正語・正業・正命・正精進・正念・正定
六波羅蜜布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧。お彼岸の由来とされます
六道天・人・修羅・畜生・餓鬼・地獄。この輪廻から抜け出すことをめざします
三毒貪(むさぼり)・瞋(いかり)・痴(おろかさ)
第十章

お経とお唱え

「南無」は「帰依します(おまかせします)」という意味です。宗派ごとに、よく唱えることばが違います。

真言宗

南無大師遍照金剛

弘法大師(空海)への帰依を表すご宝号。

浄土系

南無阿弥陀仏

阿弥陀仏に帰依するお念仏。

日蓮宗

南無妙法蓮華経

法華経に帰依するお題目。

禅宗など

南無釈迦牟尼仏

お釈迦さまに帰依することば。

代表的なお経

お経内容・よく読む宗派
般若心経「空」を説く短いお経。天台・真言・禅・奈良系で広く読む。浄土真宗・日蓮宗では基本的に読まない
観音経法華経の「観世音菩薩普門品第二十五」
浄土三部経無量寿経・観無量寿経・阿弥陀経。浄土系
法華経特に方便品・如来寿量品。日蓮宗・天台宗
正信偈親鸞の作。浄土真宗で日常的に読む
修証義道元の『正法眼蔵』から編まれた。曹洞宗

光明真言

真言宗などで唱えられる真言です。

おん あぼきゃ べいろしゃのう
まかぼだら まに はんどま
じんばら はらばりたや うん

読経の功徳を故人やすべての人に振り向けることを「回向」といいます。

第十一章

日本仏教の歩み

  1. 仏教公伝

    538年説・552年説

    百済の聖明王から仏教が伝わる。538年説は『上宮聖徳法王帝説』など、552年説は『日本書紀』による。

  2. 飛鳥

    聖徳太子

    蘇我氏と物部氏の崇仏論争を経て、法隆寺・四天王寺が建てられる。

  3. 奈良

    鎮護国家

    国分寺・国分尼寺を各地に。東大寺の大仏が752年に開眼。鑑真が来日し、南都六宗が栄える。

  4. 平安

    最澄・空海

    天台宗と真言宗が開かれ、密教が盛んに。末法思想とともに浄土信仰が広まる(源信『往生要集』、平等院)。

  5. 鎌倉

    法然・親鸞・一遍・栄西・道元・日蓮

    鎌倉新仏教。念仏・禅・題目と、人々に身近な教えが次々に生まれる。

  6. 室町

    五山・蓮如

    禅宗の五山制度。水墨画・庭園・茶の湯など禅の文化が花開く。蓮如が本願寺教団を広げ、一向一揆も起こる。

  7. 戦国〜安土桃山

    織田信長

    比叡山焼き討ち、石山合戦。

  8. 江戸

    寺請制度

    住民をお寺に登録させる寺請制度で檀家制度が定着。本末制度が整う。隠元が来日し黄檗宗を開く。

  9. 明治

    神仏分離

    神仏分離令(1868)と廃仏毀釈で多くの寺宝が失われる。1872年に僧侶の肉食妻帯が公認される。

  10. 戦後〜現代

    宗教法人法(1951)

    農地改革で寺領が減る。現代は過疎による無住寺の増加、墓じまい・永代供養・樹木葬、オンライン法要、坐禅やマインドフルネスへの関心など。

肆 巡る

巡礼の道と、お寺での体験

第十二章

巡礼と霊場

決められたお寺を順にお参りする巡礼は、日本各地にあります。納経帳に御朱印をいただきながら巡ります。

四国

四国八十八ヶ所

弘法大師ゆかりのお遍路。お大師さまといつも一緒という「同行二人」の心で巡ります。

写真 ↗
近畿

西国三十三所

観音菩薩を祀る札所めぐり。日本最古の巡礼といわれます。

写真 ↗
関東

坂東三十三観音

関東の観音霊場。

埼玉

秩父三十四観音

西国・坂東と合わせて「日本百観音」になります。

各地

新四国・各地の霊場

四国八十八ヶ所を写した各地の「新四国」や、地域の霊場めぐりもあります。

巡礼の装い:白衣・輪袈裟・金剛杖・納経帳が基本の道具です。普段着でお参りしてもかまいません。
第十三章

お寺での体験

一般の人も参加できる体験を開いているお寺がたくさんあります。日程や申し込み方法は、各寺の公式情報で確かめてください。

禅寺

坐禅

足は結跏趺坐か半跏趺坐、手は法界定印、目は半眼。警策は自分から合掌して受けます(希望者だけの寺も)。

心を静める

写経・写仏

般若心経の写経が定番。書いたものはお寺に納めます。

食

精進料理

肉・魚と、ネギ・ニラ・ニンニクなどの五葷を使わない料理。禅宗では「五観の偈」を唱えて食事をいただきます。

泊まる

宿坊

高野山・身延山・善光寺の周辺などにあり、朝のお勤めに参加できます。

真言宗

阿字観・護摩

阿字観は真言宗の瞑想。護摩は火を焚いて祈願する修法です。

学ぶ・集う

法話会・寺カフェ

お坊さんのお話を聞く会や、寺子屋・寺カフェなど、地域の居場所づくりも広がっています。

参拝記

参拝したお寺

実際にお参りして、写真とともにまとめたお寺です。カードから各寺の紹介ページを開けます。

これから

まだ登録はありません

お参りしたお寺の紹介ページができたら、ここに並べていきます。

各紹介ページに調べた日付を載せます。お出かけ前にお寺へご確認ください。

伍 調べる

暦・儀式・お金・ことば

第十四章

年中行事

多くのお寺で行われる行事と、宗派ごとの大切な行事です。

時期行事内容
お彼岸:春分の日・秋分の日を中日として、前後3日ずつの7日間です。
第十五章

葬儀と法要

仏式の葬儀の流れ(一般的な例)

  1. 枕経
    亡くなった方の枕元での読経。
  2. 納棺
  3. 通夜
  4. 葬儀・告別式
    引導や授戒など。浄土真宗では引導を渡しません。
  5. 出棺・火葬・収骨
  6. 還骨法要・初七日
    繰り上げて葬儀当日に行うことが多いです。

戒名(法名)

戒名は、本来は生きているうちに仏弟子となった証として授かる名前です。多くは亡くなってから菩提寺が授けます。構成は院号+道号+戒名(2字)+位号。位号には居士・大姉、信士・信女、子どもの童子・童女などがあります。

浄土真宗では「法名」といい「釋」の字がつきます。浄土宗は「誉」号、日蓮宗は「日」の字が入ることがあります。菩提寺がある場合、ほかで付けた戒名だと納骨を断られることがあるので注意しましょう。

四十九日まで(中陰)

法要時期
初七日亡くなって7日目
二七日〜六七日7日ごと(五七日=三十五日)
七七日(四十九日)満中陰。忌明け。納骨や本位牌の開眼を行うことが多い
百か日卒哭忌

年忌法要

法要時期
一周忌満1年
三回忌満2年(亡くなった年を1と数えるため)
七回忌満6年
十三回忌・十七回忌満12年・満16年
二十三回忌・二十七回忌満22年・満26年
三十三回忌満32年。ここで弔い上げとすることが多い
五十回忌満49年

法要は命日より前の土日に行うのが一般的です。法要のあとに卒塔婆を立てる宗派もあります(浄土真宗では立てません)。

そのほかの供養

開眼供養

仏壇・位牌・お墓を新しくしたときの「魂入れ」。浄土真宗では入仏式・建碑式。

閉眼供養

仏壇の処分や墓じまいのときの「魂抜き」。浄土真宗では遷仏法要。

永代供養

お寺が永く供養を続ける形。合祀墓・樹木葬・納骨堂など。

墓じまい

お墓を移すときは、今のお墓がある市区町村で改葬許可の申請が必要です。

いろいろな供養

水子供養、ペット供養、人形供養、針供養、厄除け、護摩祈祷など。

第十六章

お布施のマナー

お布施は読経や戒名の「料金」ではなく、仏さまの教えへの感謝の施しです。

表書き

「御布施」「お布施」

白無地の封筒か奉書紙に。郵便番号欄のない封筒が望ましいです。

墨

濃い墨で書く

薄墨は香典の悲しみの表現なので、お布施には使いません。新札でもかまいません。

渡し方

お盆か袱紗にのせて

手渡しせず、切手盆か袱紗の上にのせ、相手から読める向きで渡します。「本日はよろしくお願いいたします」と添えて。

別に包むもの

御車料・御膳料・御塔婆料

お坊さんに来ていただく交通費が御車料、会食を辞退されたときが御膳料、塔婆を立てるときが御塔婆料です。

金額のこと:地域・お寺・家とのご縁で大きく違い、決まった額はありません。「皆さまどのくらいお包みでしょうか」とお寺に尋ねるのは、まったく失礼ではありません。

香典(参列する側)

時期表書き
四十九日の前「御霊前」(浄土真宗・曹洞宗などは「御仏前」が適切とされる)
四十九日の後「御仏前」
迷ったら「御香典」「御香料」

香典は薄墨で書き、黒白か双銀の結び切りの水引を使います。最終的にはご住職や地域の慣習に従ってください。

第十七章

僧侶と檀家

お坊さんの呼び方

宗派など呼び方
一般ご住職、お坊さん
「和尚」の読み禅宗・浄土宗は「おしょう」、天台宗は「かしょう」、真言宗・律宗などは「わじょう」
日蓮宗お上人さま
浄土真宗ご院家さん(寺の奥さまは坊守)
禅宗方丈さん(前の住職は東堂)

手紙の宛名は「〇〇寺 ご住職 〇〇様」または「〇〇寺 御住職様」。

お坊さんになるまで

得度(出家の儀式)を受け、本山の道場などで修行し、宗派の資格を得ます。真言宗の四度加行、天台宗の比叡山での行、禅宗の僧堂での修行(雲水)、日蓮宗の信行道場、浄土宗の加行などがあります。

身のまわりの道具

法衣と袈裟

袈裟は衣の上にかける布。もとはぼろ布をつないだ糞掃衣。色で僧階を表すことがあります。

法具

数珠、払子、如意、錫杖、木魚、鈴(りん)、磬、鐃鈸、太鼓。密教では金剛杵・金剛鈴。

修行の姿

禅僧の絡子、修行僧の網代笠と托鉢。

檀家制度

江戸時代の寺請制度で定着しました。檀家は護持会費(年会費)、本堂修繕などの寄付、法要のお布施でお寺を支えます。お寺を離れる(離檀)ときは話し合いが基本です。困ったときは宗派の本山や専門家に相談しましょう。

付録

用語集

お寺でよく出会うことばです。五十音順。

用語読み意味

付録

調べ方

お寺のことを無料で調べられる場所です。

各宗派の本山の公式サイトにも、教えや作法の案内があります。